あなたは、山羊ではありませんか？

代官山駅から歩いて30秒。
不思議なカタチの建物の地下へと潜っていくと、
異国のような空気を持ったお店が現れます。

そこが今回のMaGaRi物件“風土Café&Bar「山羊に、聞く？」～je ne suis pas une chévre?～”。
（以下、「山羊に、聞く？」）
ランチタイムは、時季に合わせ日本各地・世界各国をテーマにした食事をすることができ、
夜は多種多様なテーマのイベントを開催するカフェ＆バーです。
今回は広い店内の、吹き抜けのテラスに面した1部屋を、
昼の時間帯にMaGaRi出来るというお話です。

得体の知れない山羊

「山羊に、聞く？」オーナーの小澤浩さん。
独特のネーミングセンスで、「晴れたら空に豆まいて」「月見ル君想フ」等
ユニークな名前を、自身が経営するお店に付けています。

夜に開催されるイベント「ヨルヤギの会」は、
様々なジャンルのナビゲーター（山羊）を囲んで、行なわれる交流会です。
音楽や、官能小説をテーマにしたりと、毎回テーマを絞り、
人々が集まるコミュニティをつくろうという試みが行なわれています。

場所を使って、とにかく集まって、情報交換をしたり、ビジネスに繋げたり、
どう遊ぶかを考えているという小澤さんに「山羊に、聞く？」の名前の由来について聞いてみました。

「山羊はね…
　気になるんですよ。興味があるんです。
　山羊のミルクって、人間の母乳に近いんだってご存知ですか？
　昔は、日本でも、たくさん山羊が飼われていたのだけど、
　時代の流れとともに、少なくなってきた。
　アンチ資本主義のような存在だと思っているんです。
　僕は、山羊の何かを悟っているような、何も考えていないような佇まいを
　見ているだけで幸せになってくる。
　店名をよく見てもらうとわかると思うのですが
　「山羊に、聞く“？”」とクエスチョンマークがついているんです。
　得体の知れない山羊に聞く、そんなあなたは何なの？と、そういう意味なんです。」

うむむ…なんだか深い気がする…と妙に納得させられてしまう、
小澤さんからリズム良く紡ぎだされる言葉たち。
好きなもの、興味のあることを、前のめりで話す活き活きした様子を見ていると、
こちらもワクワクしてくる、そんな方です。

あやしくて危ない方が面白い

「街は、あやしくて危ない方が面白い」と小澤さん。
「山羊に、聞く？」は、カフェというだけでは言い切れない秘密基地のような
不思議で、少し怪しげな雰囲気を漂わせています。

「今回のMaGaRiは、ものすごく特別な能力を持っている人ではなくて、
　普通だけど、何かしようとしてる人に来てもらいたい。
　誰だってつつけば出てくる。
　つついて、何かを気付いたり、悩んだり、わからなくなってもいいんじゃないかな。
　出来たら、僕らがないものを持っている人に来てもらいたい。
　何事も出会いだからね。」

街と同様、人も整いすぎていない方が人間らしくて魅力的だと語ってくれた小澤さんは、
混沌とした中での出会いから、何かが起きることを楽しんでいる様子。
自身もお店で出会った人のおかげで
新しい世界を知ることが出来ているのだとお話して下さいました。

今回、MaGaRi出来るスペースの利用は、昼の時間のみと時間は限られていますが、
代官山からの絶好のアクセス、そして何より、
自分が予想出来ないところで、変化していくものを楽しむ、小澤さんがいる場所。

出会うだけで、何かが始まりそうです。

（ライター：中里希）