前橋にアーティストの梁山泊をつくる ～アーティスト向け物件募集～

群馬県前橋市出身のアーティスト中島佑太さんが、
前橋に若手アーティストのアトリエと、作品の展示やイベントを行うことのできる場を探しています。

これまでも様々な地域の方々や仲間達と魅力的な作品を作り続けてきた中島さんが、
今度は「出身地の前橋」で新たなチャレンジを始めようとしているとのこと。

前橋の空き物件や空いたスペースを貸し、
中島さんをはじめとした若手アーティストの新たなチャレンジを
応援してくださる方はいらっしゃいませんか？

彫刻や絵画ではなく、場やコミュニケーションをつくるアーティスト

中島さんのつくる作品は、絵画や彫刻といったいわゆる美術館に展示されるようなアート作品とは異なります。

彼は「もの」ではなく場や新しいコミュニケーションをつくり出すアーティストなのです。
「１人でやらない」をモットーとし、取り組みの姿勢も明確。

これまでに手がけて来たプロジェクトには、様々なものがありますが、

例えば、アートプロジェクト“井戸端ラジオプロジェクトFMゆめ団地”では、
狭い範囲に放送されるミニFMのラジオ局を、ある団地内の一角に作り、
局内で井戸端会議さながらに行われる住民やアーティストの会話をそのまま放送しました。

ミニFMでは著作権法が適用され、自由に好きな曲をかけられないという事情を逆手にとり、
著作権フリーのオリジナル音源を広く地域に募集し、
地域のおじさんに自作フォークソングを提供してもらったり、
団地のオリジナル合唱曲を作り、合唱団を結成するなど、
まちの人と一緒に様々な楽しい取り組みが行われました。

この他にも、まちの方々から本とその本にまつわるエピソードを集めてつくる“〈図書館〉”などの
プロジェクトに中島さんは取り組んでいます。

このように中島さんによるアートは必ずしも目に見えるものではないのです。

中島さんが生み出しているのは、
彼が関わることによって生まれる、新しい形のコミュニケーションやまちの人同士の交流だったり、
個人が内に秘めて来た想いや能力を発露するキッカケづくりだったりします。

中島さんは言います。
「これまでやってきたように人と関わりながら何かをつくりたい。
僕がコミュニティに関わりながら、アートによって何か変化していく部分をつくり出せないかと思っています」

アーティストが集まり活動をすれば人の行き来が生まれ、さらに新しい活動が生まれる

１人のアーティストが生み出せることは確かに小さいかもしれません。
しかし、活発なアーティスト達が集合してその地域で活動を続けていると、
その地域を“面白い所”と認識して、若いアーティストやアートファンがその場所にわざわざ電車賃を払い、
時間をかけてでも足を運ぶようになります。

これは日本全国に広がる、地域と密着したアートプロジェクトの数々がなし得ている重要な成果の１つと言えます。
人が行き来して様々な交流が生まれ出したら、そこからまた何か新しく面白いことがスタートするのです。

中島さんは「前橋でも僕たちは僕たちの面白いことをやり、認知や活動を面的に広げていければ。」と話してくれました。

一方オーナーさんによっては、
アーティストのアトリエというと、画材で汚れた部屋をイメージして心配してしまう方もいるかと思います。

そこのところを中島さんに聞いてみると
「多様な使い方があり、むしろアーティストならではのリノベーションできれいになることだってある。」とのこと。

空間や色彩に関する感覚の豊かなアーティストたちが、
そのスペースの魅力を最大限に引き出す使い方をするのを目撃できるかもしれません。

未利用の物件が若い人の活気に溢れ、
芸術性の高いスペースに生まれ変わり周囲にも波及効果をもたらす。
そのようなチャレンジを中島さんや若手アーティストと共に取り組んでみませんか？

前橋に活用されていない場所をお持ちのオーナーさんで、
前橋活性化のキッカケを探している方、前橋のアートシーンをより面白くしたいという方、
若いアーティストの想いに共感してくださる方、お気軽にお問い合わせください。
（空き物件をアーティストが活用した事例などもお話できます）

また、中島さん達はいま数名のアーティストやキュレーターと、
このアトリエ構想を進めているそうです。

このアトリエ構想にアーティストやシェアメンバーとして加わりたい方や、
前橋での活動に協力したい方もご連絡、お待ちしております。

（ライター：友川綾子）