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Column 003

『MaGaRiのその後 Vol.1 前編』

Creative Hub131(中央区馬喰町)/ベクトカルチャー(株)

MaGaRiを始めた人たちの“その後”を追うコラム、『MaGaRiのその後』

第一回目はCreative Hub131(クリエイティブ・ハブ イチサンイチ、以下131)を利用している
ベクトカルチャー株式会社(以下、ベクトカルチャー)のお二人の“その後”をお届けします。

まず始めに今回の場所を紹介すると、、
131はアーティスト新野圭二郎さんがプロデュースする地上7階・地下1階の複合ビル。デザイナーやアーティスト、コンサルティング会社など10組が入居し、2011年7月のオープン後、様々なイベントが開催されクリエイターやアーティストの行き交う場となっています。

  ・ 募集時の掲載記事はこちら(このビルは当時ムラカミビルと呼ばれていました)

今回は、ベクトカルチャー代表取締役の山本さんと取締役の伊藤さんのお二人に、展開する事業、131を利用することで生まれたつながり、今後の展望など語っていただきました。

「紙」をペンケースやブックカバーに。OKIMAKを展開するベクトカルチャー

ーー今日はありがとうございます。まずベクトカルチャーの事業について教えて下さい。

(伊藤さん)
OKIMAK(おきまく)というブランドでペンケースや名刺ケース、ブックカバーの制作、販売をしているほか、デザイン業務、電子書籍制作業務を展開しています。

OKIMAKは日本の伝統である”紙を揉んで衣に仕立てた”「紙衣・KAMIKO」の技術を現代の紙に応用することで、新たな風合いと魅力を引き出しています。”伝統を再び現代に取り込む”という「Re」の意味合いを込め、KAMIKOを反対から読み、OKIMAKと名付けました。

良かったら、触ってみますか?
(伊藤さんが、作成中のペンケース、ブックカバーを机の上に出す)

ありがとうございます。・・これはすごく優しい手触りですね。外見も革のように見えますが、紙なんですね。

伊藤さん:
工程そのものは昔からある伝統的なもので、特別なものではありません。ただ、沢山の試作をすることで使用する紙に最も合う組み合わせにはしています。紙をよく揉み、糊を塗り、乾燥させる工程を繰り返すことで、紙の耐久性、光沢、手触りが元の紙より良くなり、こういったアイテムにすることができるんです。

「色々な人とコラボレーションしたい。」プラットフォーム型プロダクト。

ーーこの技術を使って、外部の方とのコラボレーションを考えていらっしゃると伺いました。

伊藤さん:
色々な会社がお客さんに買い物袋として渡している紙袋がありますが、あれをペンケースやブックカバーなどへ商品化する提案をしています。実際に松丸本舗さんとはコラボレーションが実現することとなりました。(詳細こちら

様々な作品を作られている方や紙を好きな方たちと、コラボという形でOKIMAKが関われたらと思っています。
そうすることで、その方の作品の幅を広げられたり、同時に紙の可能性も広げられるのではないかと思っています。気になったら気軽に声をかけて欲しいです。

MaGaRiの決め手は、同じビルを利用している“人”

ーーお二人がこの131を利用することになった経緯を教えてください。

山本さん:
この物件を見つけた当時(2011年1月)、僕らは広い作業スペースと自由な環境を探していました。アパートやシェアオフィスなども探したのですが、なかなか良い場所がなかったんです。

伊藤さん:
そんな時、たしかツイッターでMaGaRiのこの物件を発見したんですよ。アパートとかと同じくらいの賃料で、しかも面白そうな人たちがいっぱい集まっているというのを知って、山本にメールしたんです。

山本さん:
そのメールを受けて「めっちゃいい!」と思いました(笑)。クリエイターからコンサルタントまでいろんな人が集まってるのがいいと感じ、すぐに問い合わせました。それから見学し、利用することを決めました。

共同作業や食堂、仕切りゼロ空間が、利用者同士の距離を近づける。

ーー利用されてみていかがですか?

山本さん:
最初、この場所はスケルトンの状態でした。そこを自分たちでリノベーションしてつくったんです。(※1)使いやすい空間を自分たちで創れるというのは、作業効率も良くなりますし、愛着も湧くのでとてもよかったです。楽しい作業でした。隣のフロアのリノベーションをお手伝いしたりして、つくる時から少しずつ他のメンバーと親しくなっていく感じも良かったと思います。

 (※1)リノベーションの様子はこちら

山本さん:
あと、このビルにはエレベーターや仕切りがなくて、自分たちのフロアに来るまでに必ず他の人たちのフロアを通ってくる必要があるんです。食堂(※2)とか、トイレ行くのも他のフロアを通るのでコミュニケーションは自然と活発になります。

 (※2)食堂:社員食堂ラボラトリー(Shine Shokudo Laboratory)
 「食事を介してコミュニティを誘発し、クリエイティブを増進する」がコンセプトの3F共有キッチン。

ーー131の利用者で交流会などしたりするのでしょうか?

山本さん:
月に1回定例会があって、共有ルールなどいろいろ話し合っています。でも仲良くなるのは、定例会の時よりも、食堂の方が多い様な気がします。友達感覚で気軽に話せるのも良いですし、外部から人も遊びにきていたりするので、知らない情報や普段関わらない人たちと出会え、刺激にもなります。いつもモチベーションが上がっています。あと、仕事の面においても新たな展開が生まれています。

ーー仕事の面においても新たな展開ですか?それは興味深いですね、ぜひ教えて下さい!

(後編へつづく)

施設名 Creative Hub131
所在地 中央区日本橋大伝馬町13-1

最寄り駅 都営新宿線 馬喰横山駅 徒歩5分(他にも都営浅草線 東日本橋駅、JR 馬喰町駅も至近)
利用者 ベクトカルチャー(株)
  • 131

    2011年7月に正式オープンしたCreative Hub131外観

  • 131_aan

    2FにあるArt Autonomy Networkのオフィス

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    ベクトカルチャーの山本さん(右)、伊藤さん(左)

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    OKIMAKのOTEDAMA、ミニポーチ。

  • fusuma01s

    OKIMAKのペンケース

  • vect2

    インタビューではお二人の会社のスタイル、夢を沢山伺いました