馬喰町・内田ビル～イーストトーキョーはじまりの地～

全てのはじまり、内田ビル

スカイツリーがオープンし、ますます盛り上がりを見せる東東京。
現在の盛り上がりを想像出来なかった約10年前、なんとも変わったビルが中央区・馬喰町に誕生しました。
その名は「内田ビル」。
今回は、以前、MaGaRiでご紹介した内田ビルの入居者募集の第二弾です。（前回の記事はこちら）

東東京の盛り上がりはここから始まったのではと思うほど、数々の面白い出来事や人が集まった
内田ビルをプロデュースしたのが、アーティストの新野圭二郎さん。
以前、MaGaRiで掲載したArt Autonomy Networkやコラム「MaGaRiのその後」で掲載したベクトカルチャーがオフィスを構えるCreative Hub131も新野さんが手掛けています。

浪費した20代、破綻した人生

「僕は20代を完全に浪費してきたんです。」
と語る新野さんは20代に世界を放浪し、
帰国後の2003年頃、このビルと出会ったことが全ての始まりだったと話してくれました。

「旅から帰ってきて、内田ビルと出会い、廃墟同然だったビルを自分たちの手で改修したんです。
屋上でパーティーしたり、海外のアーティストが訪れたり、
今のイーストトーキョーのキーマンとなるような人がオフィスを構えたりと、
面白い人がどんどん集まってくる場所になりました。」

数々のユニークな作品を発表してきた新野さんは、
現在、約20万平米の土地に、7.5万平米使うという壮大なアートプロジェクトを進めています。
本当に実現可能なのか、と度肝を抜かれる規模ですが
前のめり且つ、本気で語る新野さんと話していると、
この人なら夢のような話を実現出来るんじゃないかと思わせる、そんな人です。

「20代を浪費し、自分が生きている間に完成しないスケールのプロジェクトに挑む…
僕の人生は完璧に破綻してますね。」と言い切る新野さん。
きっと、内田ビルに集まってきた人達も、
彼のみなぎるパワーに引き寄せられているのでしょう。

ユニークな人々が行き交うビル

そんな内田ビルの注目すべき点は、「人」や「コミュニティ」。
入居している方々をご紹介すると、
B1Fには写真事務所ゆかい、
１Fはデザイン会社ASYL（アジール）とゆかいが共同運営する
オルタナティブスペースdragged out studio（ドラックアウトスタジオ）と、
コマーシャルギャラリーMAKI FINE ARTSが入居。そのため定期的に展覧会などが開催されています。
3FにはファッションブランドTAGEのデザイナー高田祐子さん、
4Fにはフリーランスでコスチューム/衣装を行う尾崎智子さん。

今回、募集の対象となるのはブースタイプのスペースです。
各ブースは簡易な仕切りがあるくらいで、他の利用者の音や存在感を感じることとなるので、
適度な緊張感やオープンな雰囲気が好きな方にオススメです。

他のどんな方々が入居しているかわからないオフィスビルなどと比べ、
内田ビルではユニークな方々との出会いや新しい刺激・キッカケを得る可能性がありそうです。
様々なユニークな方々が行き交うこの場所にオフィスやアトリエを構えてみませんか？

（ライター：中里希）